【Z・CD特別情報37】
『変奏論』のレセルカーダ集
サヴァール、コープマン、ローレンス=キング、パンドルフォ、リスレヴァン、ドゥフトシュミット
ALIA VOXヘリテージ・シリーズ最新盤
ルネサンス宮廷の高貴な響きが美しい。
[ ガンバ・レセルカーダ集]
かつて、アストレ・レーベルから発売されたサヴァールの優秀録音をSACDハイブリッド盤で蘇らせる「ヘリテージ・シリーズ」から、待望の最新盤.
今回リリースされる運びとなったのは、16世紀に活躍したスペインの作曲家ディエゴ・オルティスのレセルカーダ集(旧品番:ES9967)。
1990年にリリースされた折、トン・コープマン、アンドリュー・ローレンス=キングといった豪華共演者を配した質の高い演奏で大きな評判を集めた。
ディエゴ・オルティス(Diego Ortiz, 1510年頃 トレド - 1570年頃 ナポリ)は、スペイン・ルネサンス音楽の作曲家・音楽理論家。当時スペイン領だったイタリア南部で活躍した。
1553年にはナポリ副王領に住み、その後1558年にアルバ公フェルナンド・アルバレス・デ・トレドによってナポリ宮廷の聖歌隊長に任命されている。
『ヴィオラ・ダ・ガンバ演奏の装飾論ならびに変奏論 』 は、1553年にローマでイタリア語とスペイン語の両方で発表された。
この著書は2部構成で、第1部ではヴィオラ・ダ・ガンバの即興的な装飾変奏の方法を具体的な譜例によって説明している。
第2部ではヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロが合奏するための手法として、高度な即興を前提としたファンタジア、定旋律上の変奏、既存の多声楽曲に基づく変奏を挙げ、レセルカーダと題する作品によって実例を示している。
ヴィオラ・ダ・ガンバ(イタリア語:Viola da gamba)は、16世紀から18世紀にヨーロッパで用いられた擦弦楽器。フランス語ではヴィオール(viole)、英語ではヴァイオル(viol)、ドイツ語ではガンベ(Gambe)と呼ばれる。
「ヴィオラ・ダ・ガンバ」とは「脚のヴィオラ」の意味で、楽器を脚で支えることに由来する。これに対して「ヴィオラ・ダ・ブラッチョ(=腕のヴィオラ)」と呼ばれたのがヴァイオリン属。
この場合の「ヴィオラ」は[擦弦楽器の総称]を意味する。
ヴィオラ・ダ・ガンバはヴァイオリン属(ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ)よりも歴史がやや古く、外観がヴァイオリン属に似ていること、18世紀後半にいったん完全に廃れてしまったことから、しばしばヴァイオリン属の原型の楽器と誤解されるが、両者は異なる系統である。
ヴァイオリン属に比べ音量が小さいヴィオラ・ダ・ガンバは、劇場や野外での演奏には適さず、もっぱら宮廷や上流市民の家庭における室内楽、および教会音楽で用いられた。
市民社会の成熟に伴って音楽演奏の場が大規模な会場に移ると、リコーダー、リュート、チェンバロなどと同様に使用されなくなったが、19世紀末以来の古楽復興運動により復活を遂げるに至った。
サヴァールが奏でるガンバの深い響きと、他の古楽器陣とが織りなす艶やかで繊細なハーモニーをSACDハイブリッド盤の高音質で堪能出来る.
1553年にローマで出版されたオルティスの「変奏論」は、ヴィオラ・ダ・ガンバの装飾や変奏のやり方を譜例と共に書き記した音楽理論書。2010年には日本語訳も発売され、未だ神秘のヴェールに包まれたルネサンス時代の奏法を知る貴重な資料として世界的に注目を集めている。
サヴァールが録音したレセルカーダ(リチェルカーレ)集は、この著書の巻末に収録されていた譜例曲集。
『ラ・フォリア』や『ドゥルス・メモワール』といったお馴染みの作品を含め、スペイン宮廷の高貴な響き垣間見える優美な小品がまとめあげられている。
オルガンやハープと織りなす典雅なハーモニーは思わず溜息漏れる美しさ。
一度は廃盤となり、現在まで入手困難な状況が続いていた。(キングインターナショナルより引用)
【収録情報】
オルティス:「変奏論」巻末より
ヴィオラ・ダ・ガンバのためのレセルカーダ集・定旋律『ラ・スパーニャ』による6曲のレセルカーダ
・マドリガル『おお幸福な私の目よ』による4曲のレセルカーダ
・ヴィオラ・ダ・ガンバ独奏のための4曲のレセルカーダ
・カンシオン『優しい思い出』による4曲のレセルカーダ
・テノール(バッソ・オスティナート)による9曲のレセルカーダジョルディ・サヴァール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
トン・コープマン(チェンバロ、オルガン)
ローレンツ・ドゥフトシュミット(ヴィオローネ)
ロルフ・リスレヴァン(ビウエラ)
パオロ・パンドルフォ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
アンドリュー・ローレンス=キング(ハープ)録音時期:1989年4月
録音場所:イタリア、エミーリア、サン・マルティーノ教会
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
SACD Hybrid
CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD SURROUND
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