【Z・CD特別情報33】
武満 徹 ヴィジョンズ
武満 徹 ヴィジョンズ
シカゴ交響楽団・ダニエル・バレンボイム
カーター:パルティータ / ベリオ:コンティヌオ
武満徹:ヴィジョンズオ—ケストラという楽器の集合体が、あらん限りのリズム・音色・ハーモニーを駆使して作り上げた音楽。
「20世紀のオーケストラ作品」としてこの3曲は秀逸である。
もはや再演の機会すらなくなってしまったのであろうか。
21世紀では、CDで聴くしか、ないのはもったいない。まだCDで聴けるだけでも貴重である。《収録曲》
・1 カーター:パルティータ
・ 2 ベリオ:コンティヌオ
・3 武満徹:ヴィジョンズ
《収録情報》
当時「20世紀の音楽」に積極的なシカゴ響の委嘱で書かれた武満とカーターの2曲は,その世界初演時のシカゴ・オーケストラ・ホールでのライヴ。ベリオのコンティヌオもアメリカ初演のライヴ。
CDは1995年シカゴ交響楽団の来日記念盤として発売された。
第11話で取り上げた「ブリテン/戦争レクイエム」は読者の皆様の反応は今ひとつであった。日本人にとって、レクイエムという音楽に共感する歴史的な土壌がないことが原因ではないかと思う。
その点、これら3点の作品は、オーケストラが多様なサウンドを聴かせてくれる点で、私は貴重な演奏であると思う。
1・カーター:パルティータ /
エリオット・カーター《パルティータ》を語る
「私の音楽的な意図は、私たちの実際の生活と同じように、気分を頻繁に変化させ、様々な気分を対照させることにあった。概して私の音楽は、空を飛んでいる時、あるいは車を運転している時の運動感覚を追求したもので、馬のあるく様や兵隊の行進など、昔の音楽に良くある運動のパターンを追求したものではない。」と語っている。
2・ベリオ:コンティヌオ /
ルチアーノ・ベリオ《コンティヌオ》を語る
《コンティヌオ》はアダージョの、「遠く隔たった、描写的な」曲である。そのテクスチュアは軽く、空気のようで、構造は再現するモジュールによる格子である。
3・武満徹:ヴィジョンズ/
武満徹《ヴィジョンズ》を語る
曲は「神秘」と「閉じた眼」の、二つのルドン(フランスの画家オディロン・ルドン)の晩年の色彩の作品から発想されている。実は、「閉じた眼」と題された作品は二枚の白黒のリトグラフと一枚の油絵の三点があって、その三点とも構図は同じような、眼を閉じた婦人の、瞑想的な静けさを湛えたものだが。
私は既にこの白黒のリトグラフに基づいた同名のピアノ曲を二つ書いて居り、このオーケストラの曲が、「閉じた眼」の最后のヴァージョンということになる。(ライナーノートより抜粋)
(参考)
ヴィジョンズに先立つ「閉じた目」を「武満徹のピアノ作品集」で聞くことができる。
閉じた眼~武満徹ピアノ作品集
ピアノ:岡田 博美
1. 遮られない休息~滝口修三の詩を読んで
2 . ピアノ・ディスタンス
3 . フォー・アウェイ
4. 閉じた眼
5. 雨の樹 素描
6. 閉じた眼2
7. リタニー マイケル・ヴァイナーの追憶に
8. 雨の樹 素描2~オリヴィエ・メシアンの追憶に
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