【Z・CD特別情報32】

ボッケリーニ:「マドリードの夜警隊の行進」

 

 

 

 

ボッケリーニ:「マドリードの夜警隊の行進」
イ・ソリスティ・ディ・ペルージャ

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《弦の国イタリアの三人の作曲家(ヴィオッティ/ロッラ/ボッケリーニ)による    名人芸的楽しみ》

ほとんど、耳にすることのない作品ばかり。それでいて何故か懐かしい響きのする作品に「心・癒される」。

《収録曲》
1. 協奏交響曲へ長調(ヴィオッティ/クォランタ編集)
  2. ヴィオラ協奏曲変ホ長調(ロッラ/チアッチ監修) BI.545
  3. 小弦楽五重奏曲ハ長調op.30-6「マドリードの夜警隊の行進」
(ボッケリーニ)G.324
《演奏:イ・ソリスティ・ディ・ペルージャ》
イ・ムジチ合奏団で知られるピーナ・カルミレッリの愛弟子パオロ・フランチェスキーニを中心に、古楽器の演奏でも有名なペルージャの音楽院の教授らにより2001年の初めに結成された、イタリアの音楽作品を中心レパートリーとする弦楽アンサンブルである。

 イ・ソリスティ・ディ・ペルージャは、イタリア国内のクラシック界では中心的存在であり、その存在の重要性はさらに認められるようになっている。バロックから古典派、ロマン派、現代作品まで、幅広いレパートリーを持っているが、特に19世紀イタリア音楽を得意としている。

三人の作曲家(ヴィオッティ/ロッラ/ボッケリーニ)》

●ジョヴァンニ・バッティスタ・ヴィオッティは、イタリアのヴァイオリン奏者・作曲家。
ヴィオッティの最も重要な作品は、かのベートーヴェンに影響を与えたとされる、29曲から成るヴァイオリン協奏曲だろう。ヴィオッティの作品の多くはヴァイオリンが顕著に活躍し、21曲から成る弦楽四重奏曲ではハイドンの開拓した「均衡の取れた構成」とは異なり、第1ヴァイオリンが独奏の役目を果たしている。
他に●2曲の協奏交響曲、《協奏交響曲について》協奏交響曲またはサンフォニーコンチェルタントは1770年代、パリで流行した形式と言われている。
「協奏交響曲」とは銘打たれていない作品の場合でも、モーツァルトのフルートとハープのための協奏曲やベートーヴェンの三重協奏曲やブラームスの二重協奏曲のように、明らかにこのジャンルを意識して作曲された作品がある。
その他●10曲のピアノ協奏曲、●ソナタや歌曲等を作曲。

  1. アレッサンドロ・ロッラはミラノでヴァイオリンとヴィオラを習い、15歳で自分自身が作曲したヴィオラ協奏曲のソリストとしてデヴューし、大成功を得る。

 

パルマの王立管弦楽団のヴィオラ奏者、アカデミア・フィルハルモニカ・パルミジアーナの第1ヴァイオリン奏者など務めつつ、各地で活躍。

1802~1833年、ミラノ・スカラ座のコンサートマスターに就任、
このオーケストラの技術を大いに高めた。
ロッラの門下には、あのパガニーニがいた。

作曲家としても多作で、生涯に600曲ほど作曲しており、12曲の交響曲、20曲のヴァイオリン協奏曲、15曲のヴィオラ協奏曲などがある。

ヴィオラ関係の室内楽では78曲のヴァイオリンとヴィオラの二重奏曲、32曲のヴィオラ2挺の二重奏曲、4曲のヴィオラと通奏低音のためのソナタ……、なんと多作なことか。

ロッラの作品は、古典派の協奏曲の中にあって独創的とはいえない、
ロッラのヴィオラ協奏曲の成立年代はわかっていないが、恐らくパルマのオーケストラのヴィオラ奏者をしていた1882~92年ころにほとんど書かれたのではないかといわれている。

ロッラの作品はL. インツァギとL. A. ビアンキによる作品目録が作成されており、BIという作品目録ナンバーがつけられている。

ボッケリーニはハイドン、モーツァルトと同時代の作曲家である。

ボッケリーニの音楽史上の功績としては室内楽のジャンル確立が挙げられる。弦楽四重奏曲と、とりわけチェロをもう一つ加えた弦楽五重奏曲では抜きん出た量と質を誇っている.(第29話で紹介)

ベートーヴェンの活躍以降、ボッケリーニのような形式をさほど重視しない音楽は主流とは見なされず、20世紀まで一部の楽曲を除き忘れ去られていたが、近年になりその情緒的で優美な作品を再評価する動きも出てきている。

《ここで逸話を一つ。》

ボッケリーニがマドリッドに来た時、王家直属の音楽長には同じイタリア人のG.ブルネッティが既に就任しており、ボッケリーニは王位を巡る紛争で幽閉状態であった王の弟ドン・ルイス皇子付き作曲家という地位に甘んじなければならなかった。

この地位は生涯変わる事は無かったが、その謎を解く鍵となる話が、ボッケリーニの子孫に伝えられている。

ある日ボッケリーニの新しい室内楽の評判を聞いたカルロス皇子(後のカルロス4世)は、自らその曲の演奏に加わる機会を作った。カルロス皇子は第1ヴァイオリンを担当した。途中、第1ヴァイオリンに「ド、シ、ド、シ」を繰り返す場面があり、暫く我慢していた皇子もその長さに痺れを切らしてこう言った。
「ド、シ、ド、シ!こりゃひどい、初心者でもこうは書くまい!」

ボッケリーニは反論する。「殿下、よくお聴き下さい、第1ヴァイオリンの繰り返しの間に奏でられる第2ヴァイオリンとヴィオラの響き、またチェロによるピチカートを!これらの音の対話が見事になされた時、そのフレーズが単調との思いは失われるでしょう」

「ド、シ、ド、シ! なんと愉快な対話だ!全く下手な初学者の悪い見本だな」
ボッケリーニは引かなかった。「殿下、斯様な判断をされる前に御自身の音楽への理解を御深め下さい」怒った皇子はボッケリーニの脚を掴み、窓から落とさんばかりであった。

その後、二度と王家に呼ばれる事は無かった。
それから暫くしてブルネッティは王家への御追従から、ド、シ、ド、シをわざと繰り返す交響曲を作り「交響曲第33番~変人(Il maniatico )~」と表題をつけた。

チャイコフスキーの交響曲第6番の第2楽章の冒頭のメロディが第一ヴァイオリンと第二ヴァイオリンに分かれて演奏され、なおかつ、オーケストラの配置が第1と第2が左右に配置されている今日の一般的な配置ではないので、メロディは左右交互に聴衆に聴こえることになる。

オーケストラ・ヴァイオリン奏者にしてみれば「なんとも物足りない」ことに違いない。

しかし、オーケストラは総合的に響いて観客を楽しませるものであり、演奏者を満足させるものではない。
演奏者は作曲者の意図に従ってひたすら演奏することが望まれているのである。

 

 

 

 

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