【Z・CD特別情報24】

 

ベートーヴェン:ピアノとチェロのための作品全集
名手・ペレー二とアンドラーシュ・シフの名演

 

 

 

 

 

ベートーヴェン:ピアノとチェロのための作品全集


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ミクローシュ・ペレーニ(1948年 - )はハンガリー出身のチェリスト。ピアノのアンドラーシュ・シフもハンガリー出身。

録音:2001年12月、2002年8月 ドイツ、ノイマルクト〈デジタル録音〉

このCDに巡り会ったのは7〜8年も前のことであったか。
ペレーニの名前は知らなかった。ピアノのアンドラーシュ・シフは知っていたが。ベートーヴェンの作品研究でチェロの作品を探していた時に偶然めぐりあった。

 ベートーヴェンはチェロ・ソナタを5曲作曲している。

  1. チェロ・ソナタ第1番 ヘ長調 Op.5-1(1796年)
  2. チェロ・ソナタ第2番 ト短調 Op.5-2(1796年)
  3. チェロ・ソナタ第3番 イ長調 Op.69(1808年)
  4. チェロ・ソナタ第4番 ハ長調 Op.102-1(1815年)
  5. チェロ・ソナタ第5番 ニ長調 Op.102-2(1815年)

ベートーヴェンはチェロの名手との交流があり、デュポール兄弟などとの親交が動機となって,チェロ・ソナタを作曲している。

5つの作品はチェロ・ソナタ作曲史上「チェロの新約聖書」とされ、多くのチェロ奏者にとって大切なレパートリーとなっている。

ベートーヴェンのピアノとチェロのための演奏はあまたあるが、不思議とこのCDはボヘミアの風景にとけこんだ演奏のように思える。

 

 チェロ・ソナタ第1番は、ベートーヴェンが半年をかけてウィーンからボヘミア地方とプロイセンに旅行した1796年の半ばに、5月から7月にかけてベルリンで第2番と共に作曲された。

ボヘミアの台地 ベートーヴェンの慣れ親しんだ風景(撮影筆者)
この光景はベートーヴェンが「恋人」の後を追って、馬車に揺られて、ぬかるみの道を苦行しながら歩んだボヘミアの台地である。
私は2006年にベートーヴェンの「恋人探し」の旅に出て、この光景に出会った。東洋の僻地にいる我々日本人は純粋に音楽だけを享受しているので、このような景色から受ける感動とは無縁であり、無理解である。
ベートーヴェンが見た景色・空気を共有することが、彼の音楽や演奏を理解する上で、無縁ではないことは、拙著・写真集「名曲誕生物語」(絶版)で詳細に触れている。

 

《収録曲》
ディスク:1
  1. チェロ・ソナタ 第1番 ヘ長調 作品5の1 第1楽章 : Adagio sostenuto
  2. チェロ・ソナタ 第1番 ヘ長調 作品5の1 第2楽章 : Allegro
  3. チェロ・ソナタ 第1番 ヘ長調 作品5の1 第3楽章 : Rondo.Allegro vivace
  4. ≪ユダス・マカベウス≫ の主題による12の変奏曲 ト長調 WoO 45
  5. チェロ・ソナタ 第2番 ト短調 作品5の2 第1楽章 : Adagio sostenuto e espressivo
  6. チェロ・ソナタ 第2番 ト短調 作品5の2 第2楽章 : Allegro molto piu tosto presto
  7. チェロ・ソナタ 第2番 ト短調 作品5の2 第3楽章 : Rondo.Allegro

 

 

以下はホルンソナタ ヘ長調 Op.17(1800年)のチェロ版

8. チェロ・ソナタ ヘ長調 作品17 (原曲: ホルン・ソナタ) 第1楽章 : Allegro moderato
9. チェロ・ソナタ ヘ長調 作品17 (原曲: ホルン・ソナタ) 第2楽章 : Poco Adagio,quasi Andante
10. チェロ・ソナタ ヘ長調 作品17 (原曲: ホルン・ソナタ) 第3楽章 : Rondo.Allegro moderato

 

 

ディスク:2
  1. ≪魔笛≫ の主題による12の変奏曲 ヘ長調 作品66
  2. チェロ・ソナタ 第3番 イ長調 作品69 第1楽章 : Allegro ma non tanto
  3. チェロ・ソナタ 第3番 イ長調 作品69 第2楽章 : Scherzo.Allegro molto
  4. チェロ・ソナタ 第3番 イ長調 作品69 第3楽章 : Adagio cantabile
  5. チェロ・ソナタ 第3番 イ長調 作品69 第4楽章 : Allegro vivace

5曲のチェロ・ソナタのうち、最も広く知られているのがこのOp.69の第3番である。チェロ・ソナタ 第3番 イ長調 作品69は、1808年に完成した

チェロの取り扱いは以前のOp.5に比べ飛躍的に大胆になり、チェロ本来の低音とカンタービレの能力を生かしながら、高音なども積極的に用いていて、従来のチェロ作品よりもチェロの持つ可能性を大きく拡張したものになっている。

一方でピアノもオクターブ重複など豪快かつ自由な歌いをしながらも、チェロの進行を乱すことはない。

作曲技法においても、チェロとピアノの両手による精緻な対位法的処理が随所に用いられるなど、この時期のベートーヴェンの作曲技法の高さを示している

1804年から1814年までの十年間は「傑作の森」と呼ばれ、ベートーヴェンの黄金期となる。第3番のチェロ・ソナタは第5交響曲や第6交響曲、そしてピアノ協奏曲第5番などと同時期に作曲された。

 

 6. ≪魔笛≫ の主題による7つの変奏曲 変ホ長調 WoO 46
WoOとは、ドイツ語のWerk ohne Opuszahl(作品番号なしの作品)の略語で、作品番号がつけられていない(クラシック音楽の)楽曲の整理のためにつけられる認識番号を示す。

  7. チェロ・ソナタ 第4番 ハ長調 作品102の1 第1楽章 : Andante
  8. チェロ・ソナタ 第4番 ハ長調 作品102の1 第2楽章 : Allegro vivace
  9. チェロ・ソナタ 第4番 ハ長調 作品102の1 第3楽章 : Adagio - Tempo d’Andante
  10. チェロ・ソナタ 第4番 ハ長調 作品102の1 第4楽章 : Allegro - Allegro vivace
  11. チェロ・ソナタ 第5番 ニ長調 作品102の2 第1楽章 : Allegro con brio
  12. チェロ・ソナタ 第5番 ニ長調 作品102の2 第2楽章 : Adagio con molto sentimento d’affetto
  13. チェロ・ソナタ 第5番 ニ長調 作品102の2 第3楽章 : Allegro - Allegro fugato

ミクローシュ・ペレーニ(1948年 - )とピアノのアンドラーシュ・シフの演奏は「チェロの新約聖書」の名に相応しく、どの曲も名演である。録音もチェロとピアノのバランスが十分に考えられており、知られざる名盤ではなかろうか。
入手困難になる可能性がある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミクローシュ・ペレーニ(1948年 - )とピアノのアンドラーシュ・シフの演奏はConcerts at the Liszt Academy of Music Budapestで映像を見ることができる。


ローソンHMVへのリンク

 

 

 

 

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