【Z・CD特別情報 21】
アンサンブル・ラカトシュ/『ファイヤー・ダンス』
〜ヴァイオリンの怪人〜
これまで,ステファン・グラッペリ(第8回)、ナイジェル・ケネディ(未紹介)、デヴィット・ギャレット(第18回)など異色ヴァイオリニストを紹介してきたが、今回は「ヴァイオリンの怪人」ともいえるラカトシュのアンサンブルを紹介する。
『ファイヤー・ダンス』
ロビー・ラカトシュ&ラカトシュ・アンサンブル
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ロビー・ラカトシュ(1965年 - )は、ハンガリーのヴァイオリニスト・作曲家。ハンガリーに古くから伝わるロマ(ジプシー)音楽をベースとし、ジャズやクラシックの要素も取り入れた独特の音楽スタイルで、その素晴らしい技術から「超絶技巧」などと評される。
また、ラカトシュはフランスのジャズ・ヴァイオリン奏者である故ステファン・グラッペリ(第8話)を信奉し、グラッペリから譲り受けた楽弓を用いている。ラカトシュ・アンサンブルは、以下の6人で、ロマ音楽に他のジャンルの音楽を取り入れて、独自の音楽を展開している。
ロマ楽団の基本編成ともいうべき、ヴァイオリン、クラリネット、ツィンバロン、コントラバスにクラリネットを除き、ピアノ、ギターを加えたのがラカトシュ・アンサンブルである。
《ラカトシュ・アンサンブル》
ロビー・ラカトシュ(ヴァイオリン)
ラースロー・ボーニー(ヴァイオリン)
カールマン・チェーキ(ピアノ)
エルネスト・バンゴー(ツィンバロン)
オスカール・ネーメト(コントラバス)
アッティラ・ロントー(ギター)万能演奏者・ピアノと、ジャズとクラシックの素養があるコントラバス、リズム楽器としてのギター、カウンター・メロディーのヴァイオリンにツィンバロンを加えた編成。
《収録曲》
『ファイヤー・ダンス』・炎の踊り/ジプシー・ボレロ/ツィツコム・パラフレーズ(J.シュハ・バログ)
・パパ、見守っていて(ミシェル・ルグラン)
・チフリコ(ルーマニア伝承曲)〜〜ゴット・ア・マッチ(チック・コリア)
・バラノチカのキャンディ(ロシア民謡)
・私の歩むべき道は(R.ラカトシュ)
・ディヴェルティメント(レオー・ヴェイネル)
・残されし恋には(シャルル・トレネ)
・イントロ(R.ラカトシュ)
・さくら さくら(日本民謡)
・ジャンゴ(ジョン・ルイス)
・ビハリの思い出(I.チャンパイ)/カティよ、おいで(J.ビハリ)
・6月11日の夜想曲i(カールマン・チェーキ)録音時期:2004年12月13-14日
録音方式:ステレオ(デジタル)ラカトシュ・アンサンブルは日頃から常に一緒の演奏をやっているのであろう。スピードの瞬時の変更にも、全員がついてゆく。「オットット」という微妙なスピードのスリリングな変更がとてもおもしろい。
曲目の原則的形式は「急〜緩〜急」を基本とし、「緩」の部分にヴァイオリンのポルタメントを多用した「泣き節」が入る。
もう1枚。こちらはやや「クラシック風」
『ジプシー・クラシック』 アンサンブル・ラカトシュ
《収録曲》
・ハンガリー舞曲第5番(ブラームス)
・チャルダーシュ(モンティ)
・2つのギター(ロシアン・フォークソング)
・『シンドラーのリスト』のテーマ(ジョン・ウィリアムス)
・ラ・ボエーム(アズナヴール)
・ヴァリアのために(ラカトシュ
・『カサブランカ』~時の過ぎゆくままに(ハプフェルド)
・『ショコラ』~マイナー・スウィング(ラインハルト&グラッペリ)
・『ゴッドファーザー』~愛のテーマ(ロータ)
・『第三の男』~ハリー・ライムのテーマ(アントン・カラス)
・『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』~デボラのテーマ(モリコーネ)
・『いつも二人で』~メイン・テーマ(マンシーニ)
・エヴォラに寄せるタンゴ(ケネス)
・雲(ジャンゴ・ラインハルト)
・マラケシュの夜(ラカトシュ)「ハンガリー舞曲第5番」や「チャルダーシュ」はロマの民族音楽の典型的な演奏であり、原型はこのようであったか、と感じさせられるひと味違った演奏を楽しめる。
特にヴァイオリンのポルタメント は、郷愁をさそう。
ポルタメントとはヴァイオリンなどの擦弦楽器の奏法の一つで、ある音から別の音に移る際に、滑らかにテンポ・音程を変える演奏技法である。
演奏・録音ともにAクラス
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