【Z・CD特別情報 初冬増刊号】


YOU TUBE でおなじみのリシッツァ

〜CDよりも映像で世界を駆け巡る現代屈指の演奏家〜

あなたはスクリャービンの時空を超えた魅力の演奏の虜にならないか

 

《ヴァレンティーナ・リシッツァについて》

  ヴァレンティーナ・リシッツァ(1973年12月11日 - )は、ウクライナ・ソビエト社会主義共和国(現:ウクライナ)生まれのピアニスト。音楽家の家庭ではなかったが、3歳でピアノを始め、1年後には最初のソロ・コンサートを催す。若くして音楽への才能を現した。

キエフ音楽院へ進学。同音楽院で後に夫となるアレクセイ・クズネツォフと出会い、音楽に真面目に取り組むようになった。1991年に渡米。多くのピアノ独奏曲を録音した後、カーネギー・ホール、エイヴリー・フィッシャー・ホール、ウィーン楽友協会など、世界を代表するコンサートホールで演奏した。

現在、アメリカ合衆国に在住し、世界各地で演奏活動を行っている。夫のアレクセイ・クズネツォフもピアニストで、リシッツァとピアノデュオを演奏する。ベーゼンドルファー社製のピアノを愛用。



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《スクリャービンについて》
 手の大きかったラフマニノフに比べ、スクリャービンは10度音程がつかめない程度の手の持ち主だったにもかかわらず、超絶技巧の難曲の制覇をめぐって熾烈な競争を無理に続け、ついに右手首を故障するに至った。

回復するまでの間に、左手を特訓するとともに、ピアニストとしての挫折感から作曲にも力を注ぐようになる。

この頃のスクリャービンの作品は右手以上の運動量を要求され、広い音域を駆け巡ることから「左手のコサック」と呼ばれ、そして独自のピアノ書法を追求した作曲家スクリャービンが生まれた。

《左手のための2つの小品》作品9(前奏曲と夜想曲からなる)は、当時を代表する作品の一つである。

《収録曲》
《Nuances:ニュアンス、陰影、微妙な色合い》

Scriabin: Nuances
1) ワルツ ヘ短調 op.1
2) 3つの小品op.2 から 第2番 前奏曲 ロ長調
3) 夜想曲 変イ長調 WoO.3
4) スケルツォ 変ホ長調 WoO.4
5) スケルツォ 変イ長調 WoO.5
6) ワルツ 嬰ト短調 WoO.7
7) ピアノ小品変 ロ短調 Anh.16
8) フーガ ヘ短調 WoO.13
9) 3つの小品 op.2 から 第3番 マズルカ風即興曲
10) マズルカ ヘ長調 WoO.16
11) マズルカ ロ短調 WoO.15
12) フーガ ホ短調 WoO.20
13) 左手のための2つの小品 op.9 から 第2番 夜想曲
14) 12の練習曲 op.8 から 第12番「悲愴」(alternative version) WoO.22
15) 2つの即興曲 op.14 から 第1番 ロ長調
16) 2つの即興曲 op.14 から 第2番 嬰ヘ短調
17) 演奏会用アレグロ op.18
18) ポロネーズ 変ロ短調 op.21
19) 詩曲 変ニ長調 op.41
20) スケルツォ op.46
21) 2つの小品 op.59 から 第1番 詩曲
22) 3つの練習曲 op.65 から 第2番 嬰ハ長調
23) 3つの練習曲 op.65 から 第3番 ト長調

収録曲を見渡して、スクリャービンの中でもWoO番号として後年に整理された初期の作品が多い。
スクリャービンが自身の作風を固める前の、若いころに書いた「チャレンジ的」作品が多いアルバムであると言える。

 

このアルバムに収録された楽曲は、ショパン(Frederic Chopin 1810-1849)の影響を強く感じられる。
全般に、若きスクリャービンの魅力が立ち込めたアルバムだ。特に「演奏会用アレグロ op.18」と「ポロネーズ 変ロ短調 op.21」の2曲の華麗な作品はにショパンの面影を感じさせる。

 

《スクリャービンの神秘和音について》
スクリャービンのもう一つの特徴は、神秘和音と呼ばれる独自の和声理論である。
神秘和音は、四度音程を六個堆積した和音で、合成和音とも呼ばれている。
独特の響きがもたらされ、文字通り神秘的な雰囲気をかもし出す。
ロシアの作曲家アレクサンドル・スクリャービンによって初めて用いられ、彼自身の作品でも多用されている。

《神秘和音のサンプル例》

    
スクリャービンは、《法悦の詩》において調性音楽から離脱した。
1904年には家庭を捨てて愛人・タチヤナとともにスイスに出奔、西欧各地を転々とする。
この頃からロマン派の影響を脱し個性的かつ神秘主義的な作風へと向かう。マダム・ブラヴァツキーの著作に親しんだ。これにより、自らの芸術を神智学思想を表現するためのものとして考えるようになり、後期の神秘和音を特徴とする作品を残す。

 

《リシッツァの魅力に溢れたピアニシズム・Etudes CD》
リシッツァには、ショパンの12のエチュード作品10・25・シューマンの交響的練習曲のCD演奏もあるが、スクリャービンとは異次元の演奏であり、ピアノ奏法も異質だ。
そのため豊富なリシッツァのピアニシズムを聞くことができる点で、特筆すべき演奏である。
《ショパン:24の練習曲、シューマン:交響的練習曲》

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1) ショパン   12の練習曲 op.10
2) ショパン   12の練習曲 op.25
3) シューマン 交響的練習曲 op.13

リシッツァはベーゼンドルファー社製のピアノを愛用とある。多分黒く塗られている「モデル290」の低音部の9つの鍵盤を持つタイプではないだろうか。(CDの説明より)

私の知っているベーゼンドルファーはこの黒い部分に「蓋」が付いているものである。多分製造モデルは違うであろう。最近ではあまり見かけないが。このような低音域は実際には使用することはないが、以前、ピアノの薀蓄でも触れたとおり、ダンパーがピアノ線から離れている解放弦の時は、完全8度や完全5度の音程は共振するので、低音の響きが豊かになる。
リシッツァがベーゼンドルファー社製のピアノを愛用している理由の一つはそのような理由ではないかと推測する。

 

《ベーゼンドルファーとスタインウエイの違い》
スタインウエイと異なるピアノ弦の張り方。
この説明はやや複雑である。ピアノの低域以外はほぼ一つの鍵盤に対して「三本のピアノ弦」が張られている。

ベーゼンドルファーはこの「三本のピアノ弦」が一本ずつはられているのに対して、スタインウエイは「二本ずつピアノ弦」がはられているので、最後の一本は隣の鍵盤と共有している。

この説明では分かりにくい。実際に見てみないとわからない。
ベーゼンドルファーの音が澄んだ音に聞こえるのはこの理由ではないかと、調律師の杵淵さんや弟子の岩崎くんから伺ったことがある。
もう40年も前のことなので、私の記憶に間違いがなければ。
こうしたピアノの構造からピアノの音色が紡ぎだされるのである。
何かの参考になればということ。
であるから、使用するピアノによってマイクのセッティングも異なるのも当然である。

 









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