【Z・CD特別情報14】
ツィゴイネルワイゼン
~ユリア・プレイズ・サラサーテ~
ツィゴイネルワイゼン
Julia Fischer
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ヨーロッパでは、10代の子供がサラサーテのツィゴイネルワイゼンを弾くのを不思議がっている。 これは私がNHKの「若い芽のコンサート」を担当した時に10代の子供がサラサーテのツィゴイネルワイゼンを演奏した時に耳にした言葉である。
その理由はツィゴイネルワイゼンがジプシー(以下ロマ)に端を発した音楽だからである。島国・日本では陸続きのヨーロッパにおける移動民族・ロマの存在はなかなか実感できない。ヨーロッパでは、サラサーテのツィゴイネルワイゼンは子供の弾く曲ではないとされている。
パブロ・マルティン・メリトン・デ・サラサーテ・イ・ナバスクエス(blo Martín Melitón de Sarasate y Navascuéz, 1844年3月10日 - 1908年9月20日)は、スペイン・パンプローナ出身の作曲家、ヴァイオリン奏者。バスク人だ。
サラサーテのツィゴイネルワイゼンを聴くことあっても、他のサラサーテの作品を聴く機会はめったにない。その意味では珍しいCDである。
収録曲は以下の作品。
Sarasate
Julia Fischer (CD)・スペイン舞曲第7番 Op.26-1
ヨーロッパ音楽には、時代を反映した「様式」と、作品を構成する「形式」が一体となっている。 バッハ以降この暗黙の約束事が守られてきた。これがヨーロッパ・クラシック音楽の伝統なのである。
・スペイン舞曲第8番 Op.26-2
・ホタ・アラゴネーサ Op.27
・アンダルシアのセレナード Op.28
・ナイチンゲールの歌 Op.29
・スペイン舞曲第1番『マラゲーニャ』 Op.21-1
・スペイン舞曲第2番『ハバネラ』 Op.21-2
・スペイン舞曲第3番『アンダルシアのロマンス』 Op.22-1
・スペイン舞曲第4番『ホタ・ナバーラ』 Op.22-2
・スペイン舞曲第5番『祈り』 Op.23-1
・スペイン舞曲第6番『サパテアード』 Op.23-2
・バスク奇想曲 Op.24
・ツィゴイネルワイゼン Op.20
演奏は10代の頃に参加した8つのコンクールにすべて優勝という輝かしい経歴を持つユリア・フィッシャーが、2014年に「生誕170年」を迎えたサラサーテに焦点をあてて新録音したCD。普段あまり聴かれない作品も収録した注目のアルバムである。
ユリア・フィッシャー(Julia Fischer, 1983年6月15日 - )はスロバキア出身のピアニストの母と東ドイツ出身の数学者の父のもと、ミュンヘンで生まれ、ミュンヘン音楽大学でアナ・チュマチェンコにヴァイオリンを学んだ現在注目の女流ヴァイオリニスト。フィッシャーは他にも協奏曲や独奏曲を数多くレコーディングしている。
ところでなぜヨーロッパではサラサーテは正統派とされていないのか。私が思うに、繰り返しになるが、サラサーテのツィゴイネルワイゼンはロマに端を発した音楽であり、西洋の「様式」や「形式」を踏襲していないということに尽きると思う。
民族音楽が必ずしも異端であるわけではない。チェコの国民楽派の祖といわれるスメタナや、ドヴォルザークなどの音楽は異端ではない。彼らの音楽にはヨーロッパの伝統が根づいている。また、チェコはかつてオーストリー・ハンガリー帝国の一部として、特にプラハではモーツァルトやベートーベンが活躍していた。モーツァルトは歌劇「ドン・ジョバンニ」をプラハで初演した。
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初演したエステート劇場・プラハ(筆者撮影)
ツィゴイネルワイゼン~ユリア・プレイズ・サラサーテ
情熱的なメロディと超絶技巧が印象的な名曲『ツィゴイネルワイゼン』。 スペインの作曲家パブロ・デ・サラサーテの名前は、この曲のおかげで世界中に知られるようになった。ヴァイオリン名曲集には必ず入るサラサーテの作品だが、サラサーテ作品だけを集めたアルバムは珍しい。
もちろん『ツィゴイネルワイゼン』も収録。超絶技巧だけでなく、普段聴くことのないスペイン民謡を主題にした作品を絶妙なフレージングで聴かせ、心をとらえる名演奏である。
演奏・録音ともにAクラス
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