【Z・CD特別情報 10】


名器の響き ヴァイオリンの歴史的名器

~長岡鉄男の外盤A級セレクション~




『長岡鉄男(1926—2000)は生涯に600種類もの自作スピーカーの設計を発表。ソフト紹介(主に外盤)でも知られ、作家ならではの筆力とユーモアあふれる文章でメーカーに媚びない辛口の批評を書くことによって人気を博した。熱烈なファンは「長岡教徒(信者)」と呼ばれ、長岡が愛用する機器、長岡が推奨するディスク(「長岡推奨盤」)を買い揃え、さらには方舟のコピーを建てる者まで現れるほどであった。』(wikipediaより引用) 

「新長岡鉄男の外盤A級セレクション」(共同通信社刊 ¥3800)が復刻したので手に入れた。アナログ・レコードの外盤A級セレクションなので、SACDサウンドサンプラーが付録になっているだけで、音の事は別として外盤批評を読むつもりであった。ところが偶然にも項目24に、私が以前にヴァイオリンの比較で手に入れていたCDと同じものを長岡鉄男氏のレコード批評に発見した。今日はこれを紹介する。



名器の響き ヴァイオリンの歴史的名器



http://tinyurl.com/jaebjkg

ピエール・アモイヤル(ヴァイオリン)
    ピエール・アモイヤルは、ユダヤ系フランス人のヴァイオリニスト。
スーザン・モーゼス(チェロ)
エドゥアルド・ファリーナ(チェンバロ)
録音時期:1977年
録音方式:ステレオ


長岡氏はこのレコードを「音は鮮烈の極地、しかも歪感ゼロ。マツヤニがとびちる」とある。マツヤニがとびちるヴァイオリニストなどは、マツヤニの付け過ぎであるが、何となく言わんとしていることは音を聴かなくとも伝わってくるようだ。(笑い)
おそらくアナログ・レコードの再生では、そのような表現が適切であったのだろう。
この演奏はパリ音楽院博物館所蔵のアマティ、ガルネリウス、ストラディヴァリウスなどのヴァイオリンの引き比べである。演奏曲目は下記の通りである。


【収録情報】
・1639年製 《ニコロ・アマティ》

(タルティーニ:ヴァイオリン・ソナタ op.1-10)

・1716年製ストラディヴァリ 《プロヴィニ》

(バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番から)

・1742年製 《ジュゼッペ・ガルネリ・デル・ジェス》

(バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番から)

・1724年製ストラディヴァリ 《サラサーテ》

(ヴィヴァルディ:ヴァイオリン・ソナタ op.2-2)

・1699年製ストラディヴァリ・モデル 《ロング・ストラド》

(タルティーニ:ヴァイオリン・ソナタ第7番から)

・ 1708年製ストラディヴァリ 《ダヴィドフ》

(パガニーニ:奇想曲第24番)


  ちなみに、長岡氏は1708年製ストラディヴァリ 《ダヴィドフ》(パガニーニ:奇想曲第24番)について「無伴奏、オンマイクで息づかいも入るが、演奏、録音ともこれが最高。」と評している。

私は1948年生まれで、父親によくSPレコードを聴かされた。当時は竹針を専用の鋏で削って聴いた。良く聴いていたのはハイフェッツのヴァイオリンであった。手回しの蓄音機で、バネを回すのは私の役割であった。それがこうじてヴァイオリンをはじめ、東京芸術大学の音楽学・音楽理論に進み、大学院を修了してNHKの洋楽班に入局した。

今日、紹介するこのCDが名演かといわれると、リマスターされたSACDなのでなんともいえないが、確かにマツヤニがとびちる音がする。当時の外盤のレヴェルの高さは、想像を絶するものがある。

このようなレコードを聴いていた人は、皆さん音楽を職業としていたかもしれない。歴史に「もしも」はないが、物の溢れた日本では、「スマホ」に夢中になっている世代からクラシック音楽を職業にする人はいるであろうか。文化の衰退・変化は気がつかないうちに、始まっているのだ。それも、これも時代のなせる業ということであろう。もしも、私が「スマホ世代」に生まれていれば、音楽にも《音》にもそれほど興味を示さなかったし、クラシック音楽を職業としていたかは疑問である。

しかし、私の体の中には確かにCDではなくSPやLPなどアナログ・レコードの《音》のDNAが。受け継がれている。 余談であるが、私がNHKに入局した1973年ころはLP時代でアナログであった。だから私の耳はアナログで育ち、デジタルになったのははるかに後のことであった 。

東京と大阪の間に放送用デジタル回線の実験が始まり、それを聴きに行ったとき、音と音の間に隙間があることを感じる事が出来た。その後技術革新が進み、なんとか実用になるようになってデジタル時代が到来した。今では音の隙間は感じることはないが、それだけ私の耳は劣化しているようだが、本当の楽器の響きには未だに違和感がある。だからなるべく原音に近いオーディオの再生に務めている。そうなるとピアノの再生、弦楽器の再生、オーケストラの再生と三種類の再生装置が必要になる。 全く不経済な話である。全てを満足する再生装置も可能であるが、たぶん三種類の再生装置の何倍もの経費がかかるであろう。年金暮らしでは三種類の再生装置で我慢している現状である。






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