【Z・CD特別情報 6】


   ショパンコンクール優勝者とCD
  


2015年のショパンコンクール優勝者が決まった。


 ショパンの故郷であるポーランドの首都ワルシャワで5年に1回、ショパンの命日である10月17日の前後3週間にわたって開催される。
 ショパンは、第一次世界大戦で解放されるまで他国によって虐げられたポーランド人の誇りである。大戦後ポーランド人は、ショパンの名を冠した国際ピアノコンクールを、ショパンの命日を中心とした期間に開催することにした。
5年に一度であるから関心は深い。まして、ショパンの名前を冠したコンクールである。

 1955年の第5回コンクールまでの優勝者は、ポーランドかソ連の出身者によって占められていた。しかし1960年の第6回コンクールでイタリア出身のマウリツィオ・ポリーニが圧倒的実力で審査員全員一致の優勝。西側諸国出身者の優勝者が出るようになったのは、これ以降の事。現在のクラシックのピアニストの世界で頂点に立つ才能を世に送り出している。


以下各回の優勝者

第1回 (1927年)
      第1位   レフ・オボーリン (ソ連)

第2回 (1932年)
      第1位  アレクサンドル・ウニンスキー (ソ連)

第3回 (1937年)
      第1位   ヤコフ・ザーク (ソ連)

第4回 (1949年)

      第1位  ハリーナ・チェルニー=ステファンスカ (ポーランド)、

          ベラ・ダヴィドヴィチ (ソ連)
第5回 (1955年)
     第1位  アダム・ハラシェヴィチ (ポーランド)

第6回 (1960年)
     第1位  マウリツィオ・ポリーニ (イタリア)

第7回 (1965年)
     第1位  マルタ・アルゲリッチ (アルゼンチン)

第8回 (1970年)
     第1位  ギャリック・オールソン (アメリカ)

第9回 (1975年)
     第1位  クリスティアン・ツィメルマン (ポーランド)

第10回 (1980年)

     第1位  ダン・タイ・ソン (ベトナム)

第11回 (1985年)
     第1位  スタニスラフ・ブーニン (ソ連)

第12回 (1990年)
     第1位 該当者なし

第13回 (1995年)
     第1位 該当者なし

第14回 (2000年)
     第1位 ユンディ・リ (中国)

第15回 (2005年)
     第1位  ラファウ・ブレハッチ (ポーランド)

第16回 (2010年)
     第1位  ユリアンナ・アヴデーエワ (ロシア)

第17回 (2015年)
     第1  チョ・ソンジン (韓国)

1994年5月28日に韓国のソウルに生まれ、6歳からピアノを始める。
2008年に青少年のためのショパン国際ピアノ・コンクール(モスクワ)で第1位、2009年第7回浜松国際ピアノコンクールにて最年少(15歳)にして優勝。同時に日本人作品最優秀演奏賞、札幌市長賞も受賞。2011年にはチャイコフスキー国際コンクールピアノ部門にて第3位入賞。2015年には、第17回ショパン国際ピアノコンクールで優勝、ポロネーズ賞も併せて受賞。
同コンクールでの優勝は、アジア人としては、ベトナムのダン・タイ・ソン(1980年)と中国のユンディ・リ(2000年)に続き3人目の快挙である。

 さて、CD紹介である。ポリーニ、アルゲリッチを除けば、第14回 (2000年)第1位 ユンディ・リ(中国)のドイツ・グラモフォンが圧倒的に多い。15年もたつのだから録音は多くなるであろう。


ユンディ・リ ショパン・ベスト


ショパン(録音・演奏Aクラス)

http://tinyurl.com/o7rnqew

1. 夜想曲 第2番 変ホ長調 作品9の2
2. 即興曲 第4番 嬰ハ短調 作品66 《幻想即興曲》
3. ワルツ 第5番 変イ長調 作品42
4. 練習曲 第23番イ短調 作品25の11 《木枯らし》
5. ポロネーズ 第3番 イ長調 作品40の1 《軍隊》
6. 前奏曲 第4番 ホ短調 作品28の4
7. マズルカ 第22番 嬰ト短調 作品33の1
8. マズルカ 第23番 ニ長調 作品33の2
9. スケルツォ 第2番 変ロ短調 作品31
10. 夜想曲 第20番 嬰ハ短調 遺作
11.ピアノ・ソナタ 第3番 ロ短調 作品58


ショパン・コンクール2015
 


http://tinyurl.com/oxm9cd9


録音時期:2015年10月(未発売)
録音場所:ワルシャワ
録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)



これがいち早くCD化されたようだ。インターネットでは本選の模様を映像つきで見ることができる。

 ショパンの演奏については「特集ショパン探しの旅 正月号」で詳細に述べているので割愛するが、チョ・ソンジンの演奏はこれにあてはまるように思う。
ショパンの譜面は沢山の音符が書かれているが、ピアノの響きで音符を取捨選択する必要がある。つまり、鍵盤をすべて叩くのではなく、響きで鍵盤を半分まで叩くのだ。そのことで、ショパンが意図した音色が生まれる。

 ショパン・コンクールに出てくるピアニストはみな技術的には完成に近いが、ショパンが意図した音色を弾けるピアニストは少ない。

 日本人の女性小林愛実のショパンコンクールのドキュメンタリーをTBSでやっていた。このコンクールのために彼女はアメリカのカーティス音楽院のマンチュ・リュウ教授の指導を受けていた。
この教授の指導は彼女の奏法が芯をとらえた打鍵ではないという。つまりフォルテを弾くときに「体の力は腰からピアノの椅子を通して下方にはたらくのであり上半身でりきんでもフォルテの音は出ないと指摘している。
それに対して彼女は力いっぱい感情を込めた弾き方から抜け出せてはいない。不安なのである。上半身は感情をこめてそらし、頭が後方にのけぞっている。これでは打鍵は鍵盤に伝わらない。
自己流の奏法を治すようにマンチュ・リュウ教授が指摘しても自信がないといって治せなかった。」結局彼女は入賞をのがした。

 私は彼女のショパンに関する奏法の不備や感性が表現できていないように思う。その点、ユンディ・リ、チョ・ソンジンの東洋人の演奏は奏法・感性ともに表現されているように思う。




真木礼様へのご質問、ご感想、応援メッセージは
↓↓↓
http://tinyurl.com/qx6afjl

 

 

 

 

お名前(苗字のみ必須)

メールアドレス(必須)




● yahoo,hotmail,gmailなどのフリーメールアドレス
には届かないケースが報告されています。
プロバイダのアドレスでご登録くださいませ。 
●筆者が発行するメールマガジンに同時登録させていた
だきますが、一度目の配信以降は自由に解除できます。 




お名前(苗字のみ必須)

メールアドレス(必須)




● yahoo,hotmail,gmailなどのフリーメールアドレス
には届かないケースが報告されています。
プロバイダのアドレスでご登録くださいませ。 
●筆者が発行するメールマガジンに同時登録させていた
だきますが、一度目の配信以降は自由に解除できます。 





お名前(苗字のみ必須)

メールアドレス(必須)




● yahoo,hotmail,gmailなどのフリーメールアドレス
には届かないケースが報告されています。
プロバイダのアドレスでご登録くださいませ。 
●筆者が発行するメールマガジンに同時登録させていた
だきますが、一度目の配信以降は自由に解除できます。